第18章 総決算と決意*
《これほどまでに強い力を持った者は他にはいなかった。だからテメェがずっと欲しかった。裏社会でヤクザや半グレを押さえ込んでのし上がるためにはなぁ。でもそれと同時に邪魔でもあった。オマエが光の道を行けば東卍は巨悪化しない。何故東卍が今まで一般人に手を出さなかったかわかるか?》
『私のせいだとでも言いたいの?』
《ああ!そうだよテメェのせいだ。テメェが抵抗するから東卍は闇に染まらない。なぁ泣き虫の天使様よぉ。もう俺はオマエが邪魔で仕方ないんだよ。だが何度テメェを消す計画を立ててもあの部屋にいる限り阻止される。》
皮肉げに笑う稀咲は忌々しそうに稀咲を睨む千冬に向かって銃口を突きつけた。
《だから俺は考えたんだ。オマエの大切なもの全部壊してガラクタにしちまおうってな。そうすればオマエは俺の操り人形になるだろ? 》
『こんな事マイキーが許すわけが無い!』
《残念だな。これはマイキーも公認してる。それにもうテメェは死んだことになってる。》
『え......』
《オマエの影武者を用意した。今頃その影武者は双璧と一緒に事故にあって死んでるはずだぜ?》
死んでる頃?
無関係の影武者を私の代わりに殺したの?
ということは誰も私たちを助けてくれる人は居ない。
私はコイツらのいい操り人形になる羽目になるのか?
『ウソ......』
《残念だったな。》
「そんな顔すんなって。天使チャン。これからはマイキーの代わりに俺が可愛がってやるから♡」
『ヒィッ!触るな!』
《半間!親友に手を出すんじゃねぇ!》
「それは出来ねぇ。話だな?俺はこの日を待ち望んでいたんだからなぁ。」
《これでリッカは俺たちのモンだ。》
《稀咲!テメェ!》
《そして今日オマエを壊す計画が始まる。これが始めの一歩だ。Happy birthday。我が同胞よ。》
《この異常者め。》
《さて、最初の犠牲者 松野千冬 言い残した事はあるか?》
ニヒルな笑みを浮かべた稀咲が千冬の頭部に向かって銃口を突きつける。