第18章 総決算と決意*
「さぁ天使チャン。俺を受け入れてくれよ。」
『ッ!』
────Prrrrrrr!Prrrrrr!
伸ばされた手を前に目を瞑るといきなり部屋に着信音が鳴る。
「チッもう時間かよ。」
時間?どういうことだろうか?
そういえばタケミチたちいない。
2人はどこに行ったんだろう。
まさか危険な目にあってるんじゃ!
『半間!!タケミチと千冬はどこだ!!2人をどこへやった!』
「この期に及んで2人の心配か......よっぽどアイツらのことが大事なんだな。」
半間はそういうと持っていたスマホをリツカの目の前にチラつかせる。
『!!』
《随分と寝たなぁ花垣》
《稀咲!》
画面の向こうには拘束されボロボロになった2人が映っていた。
『千冬!タケミチ!』
《松野千冬。鬱陶しい奴だよ。オマエは。12年前のことを未だに忘れずオレに噛みつく。場地圭介と闘えなくなったリッカの復讐(リベンジ)か?》
『え?』
ドスッ!!
鈍い音が聞こえ、画面越しの血を流している千冬が稀咲に蹴られる。
それも何度も.....
ドスッ!ゴスッ!!
ダメだ!このままじゃ千冬が死んじゃう.....!
これ以上はダメだ!本当に死ぬ、死んじゃう!
なんで私はここで見てるだけしか出来ないの!?
ギシッ!!ガシャン!ガシャン!!
『やめろ!!稀咲!!』
《はは。見てるか?俺の天使様。オマエの大事な大事な仲間が嬲り殺される瞬間を.....》
稀咲は千冬を殴る手を止めると、ニヤリと笑って絶望の表情を浮かべる画面越しのリツカを見る。
『稀咲!!テメー!これ以上2人に手を出したら殺す!今すぐ2人を解放しろ!!』
《はっ、今のテメーに何ができるよ。ただそっから見てることしか出来ねぇテメーがよぉ。》
『ッ!』
「はは。いーなその絶望した顔。すっげぇ唆る。稀咲もっと天使チャンを絶望させてくれよォ。」
半間はそういうとリツカの頬を撫でる。
撫でられたリツカは嫌悪と恐怖で咄嗟に顔を背け目と唇を固く閉じた。