第18章 総決算と決意*
「俺らも随分長い付き合いになったよな。」
「え.....はぁ.....」
「東卍に入って12年.....今でもあの時の仲間たちでこうやってつるんでられるなんて思ってもみなかった。」
「.....」
「意外なこと言ってるか?」
「あっ....いや.....」
『意外だね。そんなこと思ってるなんて。』
「そうか。オマエにとってはそうかもな。」
「タケミチ、千冬、リッカ。俺の事どう思ってる?」
「え?」
「恨んでるだろ?」
確信を着くような言葉にタケミチは困惑したような表情を浮かべ、リツカは鋭い視線を向けて頷いた。
「リッカ。やっぱりオマエは最初から知ってたんだな......」
『圭介と2人で色々調べたからね。私はずっと恨んでた圭介をあんな目に合わせ、一虎にさらなる業を背負わせたアンタが。』
「そうか。そうだよな.....12年前の今くらいの季節だったか。場地が昏睡状態になったのは.......あれは全部俺のせいだ。」
「「!!」」
信じられない告白にタケミチも千冬も驚愕したような表情を浮かべ冷や汗を流す。
「血のハロウィンは俺が仕組んだんだ。」
『(なんで?何で今それを私たちに言うの!?)』
「(知ってる。もちろん知ってるなのになんで自分から!)」
「半間を使い、羽宮一虎を丸め込み、芭流覇羅という組織を作った。そしてそれを東卍にぶつけた。」
稀咲は重々しくそう語りながら、手元にあったウイスキーをグラスへと注ぐ。
「.....なんの為にそんな事を」
タケミチの後ろに座っていた千冬が口を開く。
しかしその声は怒りに震えていた。
『(千冬......)』
「......力が欲しかった。賞賛された功績が欲しかった。俺が抗争を収めればみんなが俺にひれ伏す。必死だった。リッカ。オマエが大怪我を負い、場地が昏睡状態になるなんて思わなかった。」
まるで涙を隠すようにして稀咲は手で目の元を隠す。
それはまるで泣いているかのようでリツカは複雑な気持ちを稀咲に抱いてしまっていた。
「本当だ。千冬!リッカ!」
稀咲は椅子を蹴るようにして立ち上がると2人に向かって頭を深々と下げた。