第18章 総決算と決意*
私は少しでも飛び火が来ないように極力空気になることに徹していると置いてきぼりを食らったタケミチは焦ったように場を見ていた。
『(修羅場や......)』
目の前の修羅場は落ち着くことなくこのまま帰ってもいいかなぁなんて考えた瞬間
肩に誰かの腕が巻かれるともによく聞き覚えのある声が聞こえてきた。
間違えるはずがない
あの憎くて憎くて仕方ないあの声が。
「楽しそうだなぁ。リッカ。楽しんでるか?急に呼び出して悪かったな。」
『「!!?」』
【お疲れ様です!!!】
一言でその場で争っていた全員が立ち上がり幹部が一斉に叫ぶようにして声を張り頭を下げる。
何事かとリツカは後ろを見れば、あの稀咲鉄太が立っていた。
取り残されたリツカとタケミチだけが椅子に座ったままで急いでぺこりと頭を下げる。
『稀咲.....』
「なんだよ。リッカ。久しぶりに会ったからってそんな他人行儀みたいな呼び方して。いつも通りでいいぜ。」
『ぁ、えっと。鉄太......?』
「おう。そっちの方がしっくりくるだろ?」
『え、あ、うん。』
他の誰よりも優しい声だし笑顔のはずなのにそれはまるで化け物のように感じてしまった。
「みんなもそんなに畏まるなよ!」
まるで別人のような笑み
コイツが本当に稀咲鉄太なのかタケミチは疑問を覚えてしまう。