第18章 総決算と決意*
『久しぶり。』
リツカがにっこりと柔らかな笑みを浮かべ、手を振るとタケミチ以外の全員が一斉に立ち上がった。
「!(リッちゃん!)」
【お疲れ様です!!姉御!!】
「(姉御!!?え、どういうことだよ!)」
『そんな堅苦しいのはやめようよ。いつも通りでいいよ。』
頬を引きつらせながら何とか笑顔を保つリツカがそう言うとみんなは何事も無かったように席に着き直した。
「久しぶりだな。リッカ」
『うん。ムーチョ、元気にしてた?景気はどう?』
「ぼちぼちだな。オマエの方はどうだ?」
『うーん。実はちょっと面倒な事になっちゃた。』
「そうか。オマエは無茶しがちだからな。いつでも頼れよ。」
『ありがとう。ムーチョは優しいね。』
にっこりと笑いながらリツカも中華テーブルを囲むように座る強面の男どもに並ぶようにして自然とタケミチの隣に座る。
「リッちゃん......((ボソッ…」
『タケミチ今はとにかく話を合わせて((ボソッ…』
「う、うん((ボソッ…」
良かったタケミチも無事に幹部になれたんだ。
これで今まで間接的だった東卍の情報を直で掴むことが出来る。
東卍の確信に1歩近づくことができるんだ。
「まずは一人ずつ上納金についてのご説明を」
いよいよ定例会が始まる。
まずは東卍の今の状況を掴んでどうにかしてナオトに伝えないと!
『タケミチ。ナオトの連絡先持ってる?((ボソッ…』
「それがいくら探してもねぇんだよ。((ボソッ…」
「オイ!そこ何ボソボソ話してんだ。」
「え!いや、あの!、えっと!」
『別に?私ずっとあの部屋で監禁されてたからタケミチと会うのは久しぶりなんだもん。積もる話があるのよ。なんなら。スマイリーも参加する?』
「しねーよ。積もる話もあるだろうが今はやめろよ。」
『りょーかい。タケミチまた後でね。』
「お、おう!(すげぇリッちゃん。上手くこの場に溶け込めてる。潜入捜査官すげぇー!)」
「では話を続けます。まずはリツカ様から────」
仕切りを任されている男が定例会を始めようとした時だった。
一人の男がそれを停めた。