第18章 総決算と決意*
────「今度マイキーを裏切れば殺す」
「せいぜいマイキーを裏切らねぇ事だな。」
『じゃあ私がここから逃げたらハルは私を殺すの?』
「"殺す"って言ったらテメーはどうするよ?」
『......殺せるものなら殺してみなよ。全力で逃げてやるから!』
ニッシシ!とチェシャ猫のように笑うリツカに三途は一瞬目を見開くとはっと笑った。
「はっ。テメーが逃げたところで底が知れてんだよ。」
『どういう意味?』
「オマエの体の中にはGPSが埋め込まれている。例え逃げたとしてもすぐ見つかるって訳だ。オマエが許可なくこの部屋を出れば幹部全員のケータイに通知が送られる。テメーはここ(箱庭)に入った時点で詰んでんだよ。」
『どう足掻こうが逃げれないって事ね。』
「そういうことだ。せいぜい鳥籠の中で大人しく飼われてな泣き虫の天使様。」
『私がそんなたまだと思う?』
睨み合いが続くと三途が先にふっと吹き出して今度こそ部屋を出ていく。
「テメーがどうであれここからは逃げれねーんだよ。じゃあな定例会遅れんじゃねぇぞー。なんでも総長代理直々の招集だからな。」
『ふーん。わかった。』
「ではボス行きますか?」
『ええ。車を回してちょうだい。』
そういうとリツカはヒールを履き終えゆっくりと立ち上がり、上からストールボレロを羽織ると部屋(鳥籠)を出た。