第18章 総決算と決意*
「最後の話だ!血のハロウィンで得たモノもあれば失ったモノもある。壱番隊 隊長 場地圭介 アイツはいまだに昏睡状態だ。俺らはこの事実を深く反省し重く受け止めなきゃならない。後はオマエから言ってくれ。
壱番隊 副隊長 松野千冬」
マイキーはそう言うとリツカの手を引き後ろへと下がって行った。
任された千冬は俯きながら前に出ていった。
「東卍を辞めようと思っていた俺を総長はこう言って引き止めた。【壱番隊の灯火をオマエが消すのか?】」
『(ごめんね。1番辛いのは千冬だよね。)』
「(すまねぇ。1番辛いのはオマエだよな。)」
未だ場地は昏睡状態、日に日にやせ細っていく彼を見続けることしか出来ない腹心を前に2人は眉を顰める。
「場地さんに変わって壱番隊を引っ張っていくのは俺にはやっぱり荷が重い。総長と親友を混じえて話し合った。何日も何日も......」
卍 卍 卍
「何の用だ。場地の件はオマエに任せたはずだ。千冬。なんで今日はリアもここに居る。」
「呼び出してすんません。折り入って話があって。親友は俺が頼んで来てもらいました。」
「......」
ビリビリとした空気が辺りを取り囲む。
どうやら病み上がりのリツカがこの場にいることが気に入らなかったらしい。
そんな中千冬はゴクリと唾液を飲みながら唇を切った。
「場地さんの件ですが......俺にはやっぱり壱番隊を率いていくのは荷が重いです。」
「じゃあオマエが出した提案で、リアに特攻隊と壱番隊を兼任しろとでも言いたいのか?リアは病み上がりだぞ。オマエが思うほど万能じゃない。」
『違うよ。マイキー。少し落ち着いて。殺気が出てる。』
「壱番隊の隊長......俺ではなく俺と親友が認めた奴に任せてもいいですか?」
「!」
「考えたんです。場地さんは今昏睡状態でいつ目覚めるか分かりません。でも場地さんは親友なら、何かを変えてくれるって思って行動を共にしてたんだと思います。」
「変えるって何を?」
「それは......」
千冬は俯くとかぶりを振った。