第18章 総決算と決意*
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───────集会当日
真っ黒な帳が空を覆い尽くし、月明かりだけが辺りを照らす中、武蔵神社に無数の不良が集まっていた。
「早くしろや!タケミっち」
「なんかこっ恥ずかしいッスね。」
『自信持ちなって。せっかく私と三ツ谷が仕立てたんだからさ。似合ってるよ。』
「う、うん。リッちゃんも似合ってるよ。」
『ありがとう。女の子の服なんて全然着た事ないけどね。』
「え、マジ?」
『マジ。』
そんな会話をしているリツカの姿はもうサラシで潰された胸ではなく緩く巻かれたサラシに上からちゃんと特服を着て、下に真っ黒なスカートを着ており、ヒールを履いたリツカの姿だった。
「さぁお披露目だ。」
「ハイ!」
『うん!』
長い階段を登り終え、堂々と立つとそれを見た隊員の全員がリツカとタケミチに視線を向ける。
「花垣だ。」
「花垣タケミチ」
「蒼葉リツカもいるぞ。」
「女の姿じゃねぇか!」
「マジモンで女だったのかよ。」
「胸でか!」
ゴンッ!!
胸を見ていた隊員に海寿がゲンコツを喰らわせる。
「痛ってぇ!オマエらも思ってんだろ!」
「俺らの隊長をヤラシイ目で見んじゃねぇ!殺すぞ!」
「リツさん.....」
「なんか俺ら注目されてるね((ボソ」
『ビビっちゃダメ。堂々としてなきゃ。舐められちゃうよ。』
「う、うん」
「ん?......へー」
そして副総長であるドラケンの元へと向かうとこちらに気づいたドラケンも2人の前へ向き直る。
「似合ってねぇなぁ。オマエ」
「ですよね。着せられてる感半端ないっす。」
「それにしてもリッカ、オマエは似合いすぎんだろ。結局スカートにしたのか?」
『集会の時はスカートで抗争の時は短パンにする事にした。両方使わないともったいないでしょ?』
ニコッと笑ったリツカにドラケンも「それもそうだな。」と言ってニカッと笑う。
そしてすぐに真面目な顔をすると2人に向かって手を差し出した。