第17章 ハロウィンと隠し事
「あっ、それこの前ゲーセンで欲しがってた奴じゃん。」
『すっごい可愛いって言ってたもんね。』
「用済んだし、帰るわ。」
「あ、ちょっと待って!ドラケン!」
エマの声を無視してドラケンは踵を返し帰ろうとする。
「「「かっけ───!!!」」」
『ハイハイちょっと待った。』
「何だよ。リッカ。」
『少しだけ一緒にいてあげてもいいんじゃない?ね?喜んでる顔みてあげなよ。』
「......おう。」
「エマちゃん良かったね!」
「えへへ。」
『じゃあ私もっ!はいエマ!コレ誕生日プレゼント』
「コレ!すっごい高いやつ!いいの!?」
『いいに決まってるじゃん!中学入学祝い渡せてなかったしそれと合わせてってことで!あとね。』
リツカはにっこりと微笑むとリップの方を持ってキャップを開ける。
中には青薔薇とラメが散りばめられた美しいグロスだった。
『青薔薇には”夢が叶う”っていう意味があるんだ。エマの夢が叶って欲しくて選んだんだよ!将来の夢叶うといいね。』
「リツ姉!!大好き!ありがとう!リツ姉の将来の夢も叶うといいね!」
『え、あ、あぁ。うん。(どうしよう覚えてないなんて言えない......)』
「ってあれ?ネックレスが2本入ってるけど......」
『それはね、1個はエマのでもう1個はドラケンの。エマが後でプレゼントしてあげてね。』
「え?」
『ペアのネックレスなんだけど、石は2つとも2人の誕生石ね。2人にピッタリだったから選んだんだ。』
「なぁ、リア。それ意味があるんだろ?」
『察しがいいね。マイキー、ふふ。そうだよ。アクセサリーって知られてないだけで意味があるんだ。でも意味は内緒。いつかわかる日が来るよ。』
マイキーの口元に人差し指を当てるとにっこりと笑った。
『じゃあ2人とも楽しんでね!エマお誕生日おめでとう!今度ケーキ作ってくるね!もちろんホールで。』
「じゃあエマちゃんのお誕生日会しようよ!」
『流石ヒナ!賛成!』
「みんなありがとう!」
嬉しそうに笑うエマを前ににっこりとリツカは笑みを浮かべると優しくエマの頭を撫でた。