第4章 喧嘩賭博!?
「オイ、キヨマサ」
「あ!?」
死ね!!そう言ったキヨマサの動きがが止まる。
不穏な空気を破るように、男の声が辺りに木霊し全員が声の方向に視線を向けた。
「客が引いてんぞ。ムキになってんじゃねーよ。主催がよー」
「(誰だ?)」
「金の辮髪、こめかみに龍の刺青(スミ)....」
「ウソだろ.....」
その場にいた全員の顔が真っ青になると、辺りがザワザワと騒ぎ出し、長身の男に視線が集まる。
「東京卍會 副総長 龍宮寺 堅
通称"ドラケン"!」
「ねぇねぇ?ケンチン?」
「あ!?こういうとこでそのあだ名で呼ぶんじゃねーよ。」
「どら焼き無くなっちゃった〜」
場の空気をものともせず、自由気ままに話す少年にアッ君達は唖然とする。
「なんだ?アイツ」
「場の空気全然読めてねぇ....」
マコトがそう言った瞬間
その場の全員がいっせいに頭を下げ、90度のお辞儀を始めた。
「お疲れ様です!」
「お疲れ様です!」
「お疲れ様です!!総長!!」
「(まさか....こいつが....東京卍會のトップ 佐野万次郎!!?)」
『何でここに....((ボソッ…』
リツカはマイキーの姿を捉えるとなるべく顔が見えないようにフードを深く被り直す。
「マ....マ.....佐野くん!俺....3番隊の特攻やってます!赤石っす!」
シーン....
辺りに気まずい空気が漂う。
「邪魔....マイキーは興味無いやつとは喋んねーんだよ。」
「あ、あ....スイマセン。」
『(相変わらずだな....)タケミチ、私の後ろに下がってて。((ボソッ…』
「あ、うん。」
2人はゆっくりとした足取りでキヨマサの前に立つ。するとまるで借りてきた猫のように大人しくなったキヨマサはマイキーに軽い会釈をした。
「お疲れ様です。」