第17章 ハロウィンと隠し事
「そういえばアオバはあの二人となんでデートしてたんだよ。」
『アッ君まで......だからデートじゃないって。実は今日幼なじみの妹の誕生日だから2人の意見を参考にしながらプレゼントを選んでたんだよ。』
「なんだよそういう事かよ!てっきり俺たちあの二人のどちらかと付き合うかと思ってた。」
「いや、俺らは思ってないけどな。思ってたのは山岸とマコトな。」
『んなわけあるか!はぁ〜。2人とも早とちりすぎ。』
「「悪ぃ悪ぃ」」
『じゃあオレのプレゼント渡しに行くからまたな!』
「「「「おう!じゃーな!」」」」
お互いに手を振りながら別れるとリツカは佐野家へ向かって歩き始める。
そして曲がり角を曲がろうとした瞬間だった。
「あ、あわわわわ、リッちゃん!!?」
「リッカ君!!?」
「リツカさん!!」
『ん?』
下から声が聞こえてきて下を向くともの陰に隠れてこちらを顔面蒼白で見つめるタケミチとヒナ、ナオトの姿があった。
『あれ?タケミチ?ヒナ?ナオト?どうしたの?そんなに青い顔して。』
「み!見ちゃダメ!リッカ君!!」
『うわ!』
ドテッ!!
いきなり飛びかかってきたヒナは思わず体制を崩して尻もちを着いたリツカの目を手で覆うと必死に視界を奪う。
「ね、姉ちゃんせめて説明を!」
「ダメダメダメ!!絶対見ちゃダメ!!」
『ちょっ!ヒナ!?前見えないんだけど!』
「とにかく絶対に見ちゃダメだよ!!リッカ君!!見ちゃダメ────」