第17章 ハロウィンと隠し事
「オイ!無駄話してねぇでさっさと始めんぞ。オラ、リッカも半間を離してやれ。」
「半間やめろ。」
『わかった。』
「へいへい。」
「半間が悪かったな。蒼葉六花さん?」
『アンタは確か稀咲鉄太だったね。』
「光栄です。総長の女に名前を覚えてもらっているなんて。」
『総長の女はやめて。これでも私は特攻隊の隊長なんだから。』
「それはすまない。特攻隊長殿。」
『抗争の時はごめんなさい。敵同士だったとはいえやりすぎたとは思っている。お腹もう大丈夫?骨には異常なかった?』
「はい。問題ないですよ。貴女こそ傷は大丈夫ですか?羽宮に刺されていましたけど.....」
『もう大丈夫。同い年なんだから敬語はいらないよ。仲良くしよ?』
リツカは笑みを貼り付けると稀咲に向かって手を差し出す。
「おう。よろしくな。リッカ!」
『よろしくね。鉄太。』
「!(やはりリッカオマエは俺の事をそう呼ぶのか。)」
倒す計画の次は仲間ごっこか。
虫唾が走る。
どうせコイツは私たちのことを仲間だなんて思ってはいない。
計画を勧める駒としか思ってないだろう。
だが、今こいつと友好関係を築いていないとコイツを見張ることが出来なくなる。
今は我慢だ。
ギリィィ
爪が手のひらに食い込むほどリツカは拳を握りしめると笑顔を必死に貼り付けた。