第17章 ハロウィンと隠し事
「久しぶり。天使チャン。傷はもう大丈夫か?」
『お陰様で。まだ痛むけど喧嘩ぐらいなら出来る。』
「ばは!それは良かった。天使チャンとは1度本気で闘ってみてぇからな。」
『あっそ。負けても知らないから。』
「じゃあ天使チャンが負けたら俺のゆーこと聞いてくれよ。」
『ヤダ。』
「わがままだなぁ。でもそれがいいんだけどな。」
そう言ってリツカを触ろうとした時だった。
ヒュッ!パシッ!ゴンっ!!
リツカは瞬く間に半間の手をひねり上げ、地面へと取り押さえる。
しかし、取り押さえられた半間はその反応が楽しいのかにんまりと口元に三日月を浮かべていた。
「ってぇーな天使チャン?なんだあ?怒っちまったか?」
『チョーシ乗らないでくれる?この腕折るよ?今傷口に触れようとしたのわかってんだからな。』
ミシッミシッミシッ.....
「ひひ。やっぱわかったか。でも出来るのか?ひ弱な天使チャン?」
『あ゙??ほざけ負け犬が!!耳障りなんだよ!』
【(あ、リッカがキレた。)】
「ばは♡その反応も可愛いけど、それなら天使チャンも元々こっち側なんだから負け犬だけどな?」
『黙っ────』
─────ズキンっ!!
『.....チッ!』
「?」
少し激しく動いたのが仇となったのか胸に痛みが走り、半間を取り抑えていた手に力が入らない。
異変に気づいた半間は一瞬笑みを消した。