第17章 ハロウィンと隠し事
『いいよ。ウチじゃどうせ使わないから。それに杏花は人形は人形でもぬいぐるみが好きなだけだし。あの子の収集癖はもうプロだわ。部屋がぬいぐるみだらけよ。』
「なら、人間の人形も好きなんじゃないか?」
『それが人間の人形はまったく興味なし。昔買ってあげようかって聞いたら"あんなの要らない"って言われたことあるよ。』
「そうなのか?」
『目玉が嫌いなんだって。その内ホコリ被って捨てられるのオチなのは目に見えてるし、逆に貰ってくれるとありがたいんだけど。』
「悪ぃな。ほら、ルナマナお礼言いな。」
「ありがとう!リッカお姉ちゃん」
「リッカちゃん!ありがとう! 」
『どういたしまして。』
ヨシヨシと2人の頭を撫でながら早速その人形を使って遊び始める。
しばらく遊んでいると閉ざされていたカーテンが開き中から三ツ谷が出てくる。
『あ、三ツ谷もう終わったの?』
「お、おうってオマエ.....頭すっごいことになってんぞ」
入院中に伸びてしまった髪をルナとマナにより飾られてしまい、それを見た三ツ谷は顔を引くつかせる。
「リッカお姉ちゃん動かないで!」
『ああ、ごめんごめん』
「オマエらな、リッカは怪我人なんだから無理させんな!」
『三ツ谷いいから!平気、平気!』
「でも......」
『いいんだよ。それより出来上がった?』
「おー」
三ツ谷は自身の部屋に戻ると1着の刺繍もされていない真っ黒な特服をリツカに手渡す。