第17章 ハロウィンと隠し事
「それにしても今日はよく冷えるなぁ。」
「あ、リッカお姉ちゃん」
「リッカちゃん」
『あ、おはよう!ルナちゃんマナちゃん。ひょっとして迎えに来てくれたの?』
「うん。お兄ちゃんがそろそろ来る頃だから迎えに行ってやれってさ。」
「美人好き〜」
『おお、流石三ツ谷だわ。私も可愛いふたりが大好きだよー』
寒さを紛らわせるようにお互いぎゅぅぅと抱きついたあとまだ小さいマナを抱っこしながらルナに手を引かれ三ツ谷の家へと足を運ぶ。
「リッカお姉ちゃん連れてきたよ!」
「来たよ〜!」
『お邪魔します〜。』
「あら、リツカ君おはよう。隆に会いに来たのかしら?」
『はい!そうです。おはようございます。お邪魔します。三ツ谷のお母さん!』
玄関を抜けるとスーツ姿の三ツ谷の母がリツカの来訪を歓迎した。
「隆なら部屋にいるはずだから、ごゆっくりね!」
『はい!ありがとうございます。』
「そういえば随分大きめの上着ね。」
『ああ、これはうちの執事のです。ちょっと借りてて。』
「そう。でもよく似合ってるわよ。それじゃ私は仕事に行くから。」
『お勤めご苦労さまです!頑張って来てください!』
「ありがとう。リツカ君」
三ツ谷の母はそう言うと用意されていた弁当をバッグに入れ、慌ただしく出て行った。
『ええっと三ツ谷は部屋にいるんだっけ?』
「リッカちゃん行こ!」
「お兄ちゃんが待ってる。」
『うん。行こっか。』
2人に手を引かれ案内された部屋に入るとひとつの部屋をカーテンで区切られた部屋へと案内される。