第17章 ハロウィンと隠し事
「無理になんて笑うなよ!泣きたい時は泣けよ!」
『え......』
「言わねぇよ!リッちゃんが言って欲しくねぇなら絶ッ対ェ言わねぇ。でも!俺はリッちゃんの味方だろ!」
『味方......』
「だってそうだろ?今更じゃん!タイムリープだってミッションだって今までずっと俺らだけで乗り越えてきたじゃねーかよ!他の誰にも言えなくても.....俺には!俺だけには言ってくれよ!」
『タケミチ......』
俺はリッちゃんの"相棒"だから。予想だにしなかった言葉にリツカは一瞬ポカンとすると直ぐにクスクスと笑い始めた。
「リッちゃん?」
『ふふふっ。千冬が聞いたら怒っちゃうよ?相棒は千冬なんでしょ?』
「あ、」
『ふふ。でも、ありがとう。タケミチ。そうだよね。私たちに隠し事なんて無しだよね。』
「!.....ああ!!」
『ごめんね。タケミチ。ありがとう!目が覚めたよ。』
リツカは起き上がるとタケミチの手を握った。
その手は本当に冷たくあの時のようでまた失ってしまいそうになるのかと恐怖がよぎるが、それはリツカの顔を見たら消え失せた。
「リッちゃん。約束する。リッちゃんの心が決まるまでは俺は絶ッ対ェ誰にも言わねぇ。」
『本当にありがとう。タケミチ。』
ポロリと涙が零れ落ちる。
ずっと不安だった。
1人で抱え込むにはあまりにも大きすぎて。でも誰にもいえなくて......
でも今タケミチの言葉を聞いた瞬間
肩の荷がフッと降りる感覚がした。
『はぁーあ!タケミチに話したらすっごく楽になった。』
「なら、良かった。もう本当にやめろよ?俺に隠し事とか。俺らは二人で一つなんだからさ!」
『そうだね!頼りにしてるよ!片割れ君』
「!おう!」