第17章 ハロウィンと隠し事
─────コンコンコン
『(ヤバい......誰か来るっ.....)だ、め......』
ガラガラ.....
病室の扉が開かれると現れたのはタケミチだった。
「リッちゃん、悪ぃ忘れ物して─────リッちゃん?リッちゃん!!!?」
『タケ.....ミチ.....』
「どうしたんだよ!その血!とにかくナースコール!!」
『タケミチっ!お願い!誰にも言わないで、マイキーにもドラケンにも......誰にも言わないでっ!!ゲボっ!!ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...!!!』
ビチャビチャビチャ!!
「リッちゃん!!一旦落ち着いて!」
『お願い!お願いだから!!何でもするから、お願い!お願いします!!』
「わかった。わかったから!とりあえずナースコールをしないと!」
『(アレ......目の前が暗い.....どうしたんだろう。でも今言わなきゃ!バレたらまたっ!)言わ....ない、で......』
「リッちゃん!───ちゃん!────!───!」
誰にも言わないでと縋り付くリツカを落ち着かせながら、タケミチは急いでナースコールを押す。
「蒼葉さんどうされました─────蒼葉さん!!」
「点滴持ってきて!あと薬も!」
「誰か先生呼んできて!早く!!」
「蒼葉さん。しっかりしてください!大丈夫ですか?蒼葉さん聞こえますか?」
ナースコールで現れた看護師は、リツカを驚いた様子で見ると急いで処置が始まった。
忙しなく看護師がリツカの部屋とナースステーションを行き来して、点滴が交換されたり、注射で薬が投与される。