第17章 ハロウィンと隠し事
「そうか.....オマエ歌えるようになったんだなっ」
「ホントオマエ急にはやめろよ」
三ツ谷とドラケンはどこか安心したようにそういうとポロリと涙を流した。
『ちょっ!三ツ谷!!?ドラケン!!?どうしちゃったの!?』
「リアのせいじゃん。」
『え。』
「俺たちずっと心配してたんだからな。オマエがもう二度と歌えないんじゃないかって。」
『そうだったんだ.....』
「でもそれも今日までだな。リアあのさ。今度からは兄貴の為じゃなくて俺たちのために歌ってよ。」
『マイキー達のため?』
そう問いかけるとマイキーは満足そうな笑みを浮かべ頷いた。
その行動はもう居なくなってしまった彼と全く同じ行動でリツカは一瞬たじろいだ。
「オマエの歌声ってさ、すっげぇんだ。俺もケンちん達も知らねぇやつも動物も色んな奴を惹きつける。俺らはさ昔からオマエの歌声が大好きだったんだ。」
───だからもう一度俺たちのために歌ってくれ。
そう言われたリツカは大きく目を見開くと在りし日の記憶を思い出す。
【オマエの声はみんなを惹きつける声なんだ。だからリツカ、俺たちのために歌ってくれ。】
彼に言われたあの言葉その言葉は今彼の弟によって告げられた。
『(前はシン兄たちのためだった。でも今はマイキーたちのために......私はどうしたい?どうしたい?)』
思考がゆっくりと回っていく。
私はどうしたいんだろう。
私は......私は......私は────