第17章 ハロウィンと隠し事
『久しぶりだったからどうかな?わかんないけどせめてでもお礼になった?』
「リツ姉すっごく素敵!」
「お姉ちゃん!すごい!すごい!歌手みたい!」
そんな中チラリとマイキーたちを見るとマイキーと三ツ谷とドラケンが柄にもなくボォーと佇んでいた。
『3人ともどうしたの?』
「オマ、エ、うあ、え?」
「オマエ!なんでなんで!!歌って......」
「声が.....」
「マイキー達どうしたんだ?」
「知らね。リッカの歌声が上手すぎてびっくりしてるとか?」
「え、有り得なくね?」
「だよな?」
『あはは。やっぱりびっくりしちゃった?』
いたずらっ子のような笑みを浮かべはぁと息を吐くと開放されたかのようにまた...♪*゚と鼻歌を歌い出した。
「だってオマエあの日からずっとっ......」
「歌えなかったじゃないか。」ドラケンは自分でも驚くほど震えた声でリツカに問いかける。
そう3人が知っているリツカはあの日.....真一郎が一虎に殺された日から歌えなくなってしまったリツカだった。
理由は簡単だ。
真一郎が昔リツカに【オマエが歌っている声もところも綺麗で好きだ。】と言っていたからだ。
だからリツカはよく真一郎に歌を披露していた。
しかし、時は残酷にもあの事件が起きてしまった。
歌おうとすれば喉がヒュッと音を立てて過呼吸になったり、胃の中の物を戻したりもしていた。
彼らが知っている彼女は歌えないリツカだった。
歌えない歌うことが出来ない彼女。
それがみんなの中のリツカだった。
『歌えるようになったんだよ。みんなのおかげでね。』
みんなが私のためにずっと頑張っててくれたから。
だから歌えるようになった。リツカはそう笑ってみせる。