第17章 ハロウィンと隠し事
『うわぁ.....最悪。あの鬼教師め。後で絶対覚えとけよ。』
「まぁ今回のことでリッちゃんが不良.....しかも東卍のメンバーだって学校中に知れ渡ちまったからな。それで目ェつけられたのかも」
『たぶんそうだよねぇ.....それにしても世間ではもうそんな時期かぁ。早く退院したいよ。』
リツカはベッドに腰掛けながら窓の外の秋色に染った空を見上げる。
外はもう秋の空が拡がっており、窓辺から見える木々には茶色い葉が色づき始めていた。
『そういえばマイキーたちは?』
「マイキー君はエマちゃんと準備してから来るって。」
「バカ!それって内緒って話だっただろ!!」
「え、あっ!!」
『準備?それってなんの──────』
「蒼葉さーん。そろそろ検査を......」
『え!あ、はーい!今行きます!じゃあ、ちょっと検査行ってくるね。』
「ついでに送ってくわ」
『いやいいって大丈夫だよ。』
「そう言ってオマエは無茶すんだろが。おら行くぞ。」
「行ってらっしゃい。」
リツカと千冬が部屋を出て診察室に向かう。
『もう。千冬は心配症だなぁ。』
「俺が好きでやってんだ。甘えとけ。.......」
ニカッと笑った千冬はすぐに真顔に戻ると、立ち止まり俯いた。
「ん?千冬?」
「親友。オマエに相談がある。退院したら総長との話し合いに顔を出して欲しい。」
『.....話ってなんの?』
「.....壱番隊隊長の事だ。」
『え?』
意味がわからなかった。
だって壱番隊の隊長は圭介で、他の誰でもなかったからだ。
ずっと頭の中では何を言っているのだろうか?と?だけが思考を支配する。