第4章 喧嘩賭博!?
「どーしたぁ花垣ィ!」
「威勢がいいのは初めだけか!?」
「また1発で終わんじゃねーぞォ!」
野次を飛ばすキヨマサの舎弟たちをリツカは冷たい目で睨む。
こいつらだって分かっているはずだ。
タケミチとキヨマサでは力の差は歴然
例えるならブルドーザーVS軽自動車の喧嘩だ。
それをわかっていて周りを焚き付けているのだと知ると腸が煮えくり返る程の怒りが湧いてくる。
「くっ」
「タケミチ!」
『何がタイマンだよ....こんなのタイマンなんかない....ただの蹂躙だっ。』
目の前でキヨマサに蹂躙されていくタケミチにタクヤ達は目を背ける。
しかし、それに反して盛り上がるギャラリー....
「タケミチ!!」
キヨマサの回し蹴りがタケミチの顔面にクリーンヒットする。
口や鼻から溢れ出た血は地面を真っ赤に染め上げていく。
「タケミチ!!もういい」
「倒れろ!!」
マコトと山岸がタケミチを心配し、そう声をかけるがタケミチは頑として首を縦には降らない。
「まだまだ....」
意識が遠のいているのか、うわ言のように呟く。
キヨマサはそんなタケミチを見て、タバコを吐き捨てるとニヤリと笑い、ギャラリーはさらに白熱する。
「処ッ刑ッ!!」
「殺せーキヨマサ君!!」
『コイツらっ!!』
他人事と思い面白がるギャラリーに怒りを覚えた瞬間
隣にいたはずのアッ君の姿が見えないことに気づく。
どこへ行ったのだろうと人混みの中に視線を向けると、ポケットに手を突っ込みながら歩くアッ君が目に入った。
ポケットから抜かれた手には赤いナイフが握られており、それ見たリツカは急いでその場からかけ出す。
『邪魔だ!』
「いってぇーな!何すんだよ!」
『退いて!退け!間に合わなくなる!!』
盛り上がるギャラリーをかき分け、アッ君の元へと急ぐ。
早く止めなければっ!
このままじゃアッ君が人殺しになってしまう!