第16章 小さき眠り姫
裏切った日からずっと考えてた。
残してきた特攻隊をどうしようかと。
本当は解散させたくない。
特攻隊は家族以上の絆で結ばれた仲間たちが大勢いたからだ。
でも私は特攻隊を.....東卍を裏切った。
海國と海寿たちにも酷いことをした。
だから、この抗争が終わったら解散するか隊長の座を降りるかずっと悩んでいた。
元々特攻隊はどの隊から見放された溢れ者が集う場所、そんな彼らを受け入れておきながら、身勝手にも解散させることにも強い罪悪感があった。
しかし、蒼葉六花は......本当の私は女であり、東卍の裏切り者。
本来なら誰一人だって受け入れたくないはずなのに。
それすらも気にしないと彼らは受け止めようとしてくれている。
リツカはその事に涙を流した。
ポツポツと目から雫がこぼれおちシーツにシミを作っていく。
『私.....東卍に居ていいの?』
「当たり前じゃん。むしろ東卍抜けるつもりならどんな手を使ってでも俺から離れれないようにするから。」
【(怖っ.....)】
「リッちゃん。俺もリッちゃんに東卍にいて欲しい。海國も海寿も特攻隊のみんなもリッちゃんの帰りを待ってるんだ。だから特攻隊を解散するなんてそんな寂しいこと言うなよ。」
『......うんっ......うんっ』
枯れたと思っていたはずの涙が止めどなく溢れる。