第16章 小さき眠り姫
「女だろうと何だろうと関係ねぇ。みんなオマエらの帰りを待ってるんだよ。」
『ごめんっ。ごめんなさいっ。裏切ってごめんなさい。マイキー、ドラケン、三ツ谷、千冬、タケミチ、みんなっ......』
「セリフが違うだろ?リッカ」
ドラケンはそう言うとリツカの頭を撫でる。
『っ.....ただいまっ。みんな!』
【おかえり。リツカ】
向けられた笑顔は優しく、暖かい。
その瞬間
今まで色のなかった世界に色がついたように、あんなにも生きずらかった世界で、やっとやっと息ができた気がした。
ああ、帰ってきたんだ......私......
リツカは心の中でそう呟くと自分の泣き声とは裏腹に窓越しの空を見上げた。
見上げた空はまるで私たちの心のように澄み渡っていた。