第16章 小さき眠り姫
「特攻隊の奴らにとってオマエは何者のにも変えられない唯一信頼出来る隊長だろ。アイツらの事を思うなら、このまま最後まで特攻隊を率いていくのがオマエができる唯一の償いじゃねーのか?」
『でも......私たちは......みんなを傷つけた。それは変えられない事実だ。下のやつらがそれで納得するはずがないっ!』
「リッカ。オマエ、芭流覇羅に行ってから視野が狭まったんじゃねーの?」
『なっ!』
「リッカ。俺たちがオマエらを追い出すわけねーだろ。」
『なん、で......』
「確かにオマエらは東卍を裏切った。でもそれは一虎とマイキーのためだったんだろ?オマエらは結局俺たちのために命を張ってくれた。そんな奴を俺らが東卍から追い出すわけねーだろ。」
『え.....』
「てか、元々東卍が勝ったら場地とリッカを返してもらう約束だったしな!」
『でも私、女なんだよ?みんなを騙してたんだよ?そんな奴をチームに残すなんて.....』
「騙してたわけじゃねーだろ。俺たちはオマエの家庭環境を知ってる。オマエが女として生きれねぇことくらいわかってんだよ。だから三ツ谷に黙っててもらってたんだろ。マイキーにも俺にも誰にも言えなかったから。」
『でも......』
「まだ東卍に残るのに理由が必要か?」
『それは.......』
「リア。女だから何?オマエの性別ひとつで変わるほど俺ら軽くねーし。俺らは蒼葉六花って言う人間にそばにいて欲しいの。東卍に残る理由はそれだけじゃダメか?」
ドラケンと三ツ谷、そしてマイキーの言葉にリツカの中にあったしがらみが消えたような気がした。