第16章 小さき眠り姫
海國と海寿もそうだが、お見舞いに来てくれた東卍メンバーのみんなはリツカが目覚めたことを心より安心し、そして暖かく迎え入れた。
特に特攻隊はそうだった。
それはまるで飼い犬が飼い主の帰りを待ちわびていたかのように嬉しそうに。
そしてどこか肩の荷を降ろしたかのように安堵した様子で笑っていた。
それこそドラケン達からしたら犬耳にしっぽが生えているようにも見えるくらいだ。
「【隊長!本当に良かったす!】」
「【リツさん。傷は痛くないですか?困ったことがあったら直ぐに言ってください!】」
「【リッカさん!もう無茶はこれくらいにしてくださいっす!】」
「【リツカさん!はいコレ!お見舞いの品ッス!弐番隊全員で選んだスからね。使ってくださいよ〜】」
「【リッカさん!そんなのより肆番隊のやつ見てくださいよ!】」
「【なんだと!オマエらのなんてチンケなやつじゃねぇか!】」
「【はあ!?オマエらの方が使い道ねぇだろ。なんだよそのTシャツだっせぇ】」
「【あ"あ!?やんのかコラ!】」
「【上等だコラ!】」
「【オマエら!隊長は俺たちのだからな!!媚ってんじゃねぇ!】」
『【あはは。ありがとう。みんな。】』
毎日誰か欠かさず来るくらいリツカは自分では気づいてはいないほど慕われていた。