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さよならマイヒーロー【東リべ】

第16章 小さき眠り姫



『でも、一つだけ......一つだけ話をさせて。』



【?】



『マイキー。ドラケン。みんな。ここからはただの蒼葉六花じゃなくて、東京卍會の特攻隊 隊長 蒼葉六花として話をしたい。』



「お、おう」



「改まってどーした?」



急に改まって話を始めるリツカにその場の全員が固唾を飲む。
そんな彼らを前にリツカはグッ!と覚悟を決めたように、拳に力を入れると唇を切った。



『特攻隊を.....特攻隊を解散させて欲しい。』



【!!?】



自分で言っておきながら胸がぎゅっと苦しくなった。多分これは裏切ったことへの後悔と特攻隊を解散したくないと思う気持ちが複雑に混ざりあったもの。それでもリツカは覚悟を決めると言葉を紡ぐ。
マイキーたちも驚いた表情を浮かべ俯く彼女に視線を注いでいた。



『自分勝手だってわかってる。でも私は東卍を裏切った。隊長失格だし、誰も裏切り者の下には着きたくないと思う.....それに私は女だ。バレてしまった以上いずれ私はみんなの足でまといになる。だから───』



「リッカ。仮に特攻隊を解散したらオマエはどうするつもりなんだよ。」



『.....それは.....その....えっと。』



そんな先のことは考えていなかった。
何も言えないリツカは問いかけてきたドラケンから視線を逸らすとハクハクと口が開いては閉じ開いては閉じを繰り返すばかりで言葉が出てこない。



「どうせオマエの事だから何も考えてねーんだろ。」



『.....』



「オマエらが東卍を抜けたのは一虎に着いたんじゃなくて、一虎を連れ戻すためだったんだろ?あの頃の東卍を取り戻したかったから.....堕ちちまったアイツを救い出すためだったんだろ?」



『それでも......私たちは海國たちに.....』



「ああ。オマエらが自分んとこの副隊長達にひでぇー事をしたことも知ってる。そこはオマエらで解決しろ。」



『だから!こうして─────』



「でもよ、本当にそれがアイツらにとって償いになるのか?」



『え......』



「オマエが目覚めた時アイツはどんな反応してたよ。裏切ったオマエを....傷つけたオマエをアイツらは罵ったか?」


ドラケンに言われリツカは目覚めた時の2人の反応を思い出す。
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