第16章 小さき眠り姫
『何でマイキーが謝るの?謝るのは私の方だよ。心配かけてごめんね。怖かったよね。辛かったよね。マイキーが自分を責めることは無いよ。これは私が自分でやったことだもん。自業自得。』
「っ......」
震えているマイキーの背中をリツカはまるで小さい子供をあやす様にポンポンと叩く。
『それにマイキーは私の事いつも守ってくれてるじゃん。好きになる事に資格なんていらないよ。だから自分をもう許してあげて.....』
「リア......」
『ん?』
「ごめんっ、オマエらは一虎と俺を止めようとしてくれてたのにっ.....俺っ.....みんなを傷つけた。オマエに命を張らせた。」
『そんなことどうだっていいよ。マイキー。もう自分を責めないで。お願い。私まで悲しくなっちゃうよ。』
「リア。もう死なない?大丈夫?」
『死なないよ。大丈夫。ちゃんと生きてるよ。』
それでもまだ不安そうなマイキーの手をおもむろに取るとリツカは自分の胸に当てる。
トクントクントクン......
心臓の音とと手から伝わる暖かさがマイキーに伝わっていく。
『ほら。ちゃんと動いてる。暖かいでしょ?』
「うん。暖かい。」
『もう泣かないで。心配かけてごめんね。』
「絶ッ対ェ許さねぇっ。次こんな真似したら俺から離れれないように閉じ込めてやる。」
そう言って泣きついていたマイキーの顔を覗くと、目が真っ赤になっていた。
『あはは.....それはちょっと嫌だなぁ』
「グズッ.....もう誰かを失うのは嫌だ。もう誰にも居なくなって欲しくない。」
『うん。大丈夫だよ。これからはずっとそばにいるから。泣かないで。もう目ェ真っ赤になっちゃてるじゃん。マイキーが泣いているところ...久しぶりに見たなぁ。』
「うるせー」
いじけた様にそっぽを向いてしまった彼にふふと笑みを零すとリツカはマイキーの瞳から流れる涙をすくう。