第16章 小さき眠り姫
「グズッ.....リアっ!バカ!本当にっバカ.....グズッずっとずっと心配してたんだからな!心臓止まったとか言われるしっ!オマエ全然目覚めねーし!グズッ.....このまま死ぬかと思ったっ.....もう絶ッ対ェ離さねぇっ!バカ!バカッ!バカリアッ!」
『マイキー.....』
「痛かったよなッ.....俺っオマエを守る"ってっグズッ....約束しだのに"っ!また守れながっだ!!全然オマエの事守れてない.....オマエが、傷つくところ....ばっか見てるだけでっ、何も出来てなかった。」
『......』
「リア、女なのにっ.....また傷作らせてゴメンッ、ゴメンなっ。守るって言っておきながら守れなくて.....俺もうリアを好きになる資格ないよな。グズッ」
血反吐を吐くように告げられる言葉にリツカの胸は締め付けられ、鼻の奥がツンと痛くなる。
小刻みに震えるマイキーの背中をリツカは優しく抱きしめ返すとビクッとマイキーの肩がはねた。
ずっとずっと自分を責めていたのだろう。
そうだマイキーは昔からそうだった。
2年前、みんなを庇って大火傷した時も、一虎に襲われた時も、今回もマイキーは自分を責めて私に謝っていた。
自分の気持ちに蓋をして、我慢してしまう。
マイキーは優しいから
きっと今回もずっと自分を責めてしまっていたんだろう。
それを知ってたんだ。
知ってたのに私は.....自分を犠牲にすることを選んだ。
彼はまだ15歳の小さな少年
誰かの死を受け入れれるほど強くはない。
それをわかっていたはずなのに。