第16章 小さき眠り姫
──────ぎゅっ!
『わぁ!』
リツカのやせ細った身体を抱きしめ、心臓の辺りに耳を当てた。
ドクンドクンドクン......
力強く確実に脈打つ心臓にマイキーは少しだけ唇を噛み締め、まるで絞め殺さんばかりに強く抱き締めた。
『ぐえぇぇぇ........ぐるじいぃ!じぬ〜〜!!』
「マイキー君!?ストップ!ストップす!!リッちゃんが!リッちゃんが死にます!!せっかく生き返ったのに!!」
『おいコラ!タケミチ!勝手に殺すなっ!ぐえぇぇぇ.....苦しいいいぃぃ!』
「あーあーあー......もうこれは重症だな。」
「あー.....タケミっち、千冬、海國、海寿。席外すぞ。」
「え?あ、はい(アレ放置してていいのか?)」
「「ウッス」」
「わかりました。」
驚くタケミチを他所に何かを察したドラケンは5人を連れて外に出た。
残されたリツカとマイキーに会話はなくただリツカがマイキーに抱きつかれている構図が出来上がっている。
正直気まずかった。
『.....』
「ハァハァ......」
マイキーの少し大きな背中は上下していて、少し汗が滲んでいた。
どうやら本当に急いで来てくれたみたいだ。
『あの......マイキー?』
「......」
さすがに気まずさを感じ声をかけるが、マイキーは反応を示さない。
表情が見えない分、彼がどんなことを思っているのか分からなかった。