第16章 小さき眠り姫
すると遠くからダッダッダ!!とまた足音が聞こえきた。
「もう!何度目ですか!院内は走らないでください!!」
『また誰かが怒られてるね。』
「まさか東卍の奴らじゃないよな?」
『来るとしたら次は誰だと思う?』
「うーん八戒辺りじゃないっすかね?アイツ隊長か三ツ谷君にべったりだし。タケミっちは?」
「ペーやん君とか?」
『あー確かに。ありうるわぁ〜』
「アイツらならやりそうだな。後で注意しとくか。このままだと俺たち出禁にされそうだし。」
はぁとドラケンと三ツ谷は呆れた様子でため息を着く。
さすが東卍の良心だなぁなんて思っていると
──────スパーン!!!
またドアが勢いよく開かれた。
『だからドア壊れ────』
「えっ!マイキー君!?」
「マイキー!?」
「オイオイ.....電話してまだ10分もたってねーぞ。」
マイキーの自宅からここまでは約10分以上もかかるはずなのに、開かれた扉の先には息も絶え絶えのマイキーが立っていた。
「ハァハァ......リア.....」
喧嘩の後でも息を乱さないマイキーが息を乱し、汗を流しながら現れたことにリツカもドラケンたちも驚いた表情を浮かべている。
「リア.....」
『?うん。どうしたの?マイキー』
マイキーはまるで眠っていた時に聞こえていた声のように寂しそうにリツカの名を口すると、無言でゆっくりベッド脇まで歩いてくる。
そして