第16章 小さき眠り姫
『あははははっ!!ひーヤバいめっちゃ傷痛いっ!』
「「?」」
我慢しきれずリツカが大声で笑うと海國と海寿はぽかんとした表情を浮かべ、お互いの顔を見合わせる。
「オマエらなぁいくらリッカが目覚めたからって院内は走んなよ。」
「「す、すみません.....」」
『も〜2人とも慌てすぎ。』
「そりゃ慌てますよ!」
「俺たちずっと心配してたんすよ!」
『そうだったね。』
はーとリツカは息を吐き、笑いすぎて零れた涙を拭うと立ち上がり2人の前に立つと、2人の頭をそっと撫でた。
『心配してくれてありがとう。そしてごめんね。』
「「ッ!隊長〜」」
2人はポロリと涙を零すとリツカの肩に顔を埋め、抱きしめる。
「本当に目覚めて良かったス!隊長〜グズ。俺たちっずっと心配してたんすからね!!」
「もう無茶はしないでください。じゃないと俺たちの心臓が持ちませんッ!貴女は俺たちの居場所なんですから!勝手に居なくならないでください!!」
「隊長がいなくなったら俺たちどうしたらいいか分からないんすからね!!」
東京でも有名だったあの四谷の双璧とは思えない言葉にリツカは思わずキョトンとして、直ぐに笑みを零した。
「「本当に目が覚めて良かった です/ っす!!」」
『うん。もう無茶はしない。ただいま。海國、海寿』
「「おかえりなさい!」」
2人はわんわんと泣く。
そんな2人をリツカは何も言わずただ優しく頭を撫でるのだった。