第16章 小さき眠り姫
毎日というと3日間
毎日欠かさず通っていたことになる。
おい、中学生、学校はどうした。
リツカはチラリと自分の隣に手向けられていた花々を見やる。
『じゃあもしかしてこの花って』
「ああ。アイツが毎日持ってきてた。毎日数本は必ずな。」
三ツ谷はそう笑ってみせるとリツカの近くに花瓶を寄せた。
『これって.....』
目の前の花瓶にはダイヤモンドリリー、赤いカーネーション、紫のアネモネの花がそれぞれ数本ずつ手向けられていた。
「わざわざエマに花言葉聞いたり、花屋に行ったりしてさ。らしくねーよな。」
『.....そうだね。本当に似合わないよ。』
リツカは嬉しそうに微笑むと枕元に置かれた花の花弁を撫でる。
『でも.....なんだろう。すっごく嬉しい。』
「3日間オマエら目覚めねぇしすっげぇ焦った。でもオマエが目覚めて本当にホッとしたよ。」
『あとは圭介だけだね。圭介の病室ってここから遠い?』
「わりと近ーよ。ここが403だから場地は401だしな。」
『後でお見舞い行こうかな。』
「そうしてやってくれ。」と三ツ谷が言った時
病室の外からまた2つの足音が聞こえてきた。
─────コンコンコン。
『はーい。』
──────バンッ!!
返事をした瞬間
ドアが壊れんばかりに勢いよく部屋のドアが開かれる。
『ちょっと!ドア壊れる!!』
「え......親友?」
「リッちゃん?」
『おはよ〜タケミチ!千冬!』
ヒラヒラと手を振ると、2人はお互いの顔を見合せ、リツカの顔を見てまたお互いの顔を見合わせる。
「現実?」
「え?夢?」
2人はそういうとお互いの頬をつねる。