第16章 小さき眠り姫
「────まぁ、とにかく最低でも2ヶ月長くて半年は激しい運動は控えてね。喧嘩なんてもってのほかだからね!」
『はーい。わかり、ました。』
長くて半年かぁ.....
みんながそれを知ったら今より絶対過保護になっちゃうなぁ。
もう前線には立たせて貰えないかなぁ。
「君たちも!リツカちゃんを無理させないこと!いいね!」
『ちょっ、先生!』
「「ウッス」」
「じゃあ、ボクはこれで。何かあったらすぐナースコールを押すんだよ。くれぐれも前みたいに病室を抜け出して散歩とかしないこと!いいね!」
『へーい』
「あ?なんて?」
『ひぃ!は、はい!!(この不良医者め!怖いじゃないか!)』
病室の外で待っていた2人に釘を刺すと医師はカルテを持って部屋を出ていく。
『......(後遺症.....か。)』
「結果はどうだったんだ?」
『......(想定内だったとはいえ......いざ突きつけられると堪えるな.....)』
「オイ?リッカ?」
『.......』
「オイ!リッカ!」
『え!!?あ、ああ!うん。全然大丈夫!特に異常はないってさ、後遺症も残らないみたいだし軽いリハビリだけだって。』
それを聞いた2人はどこかほっとした様子を浮かべると良かった。と呟いた。
「あのよ。さっきマイキーに連絡したんだ。アイツすぐって来るってよ。」
『え、ねぇ!それって道路駆っ飛ばさないよね!?駆っ飛ばさないよね!!?』
「いや、多分無理だろ。アイツ毎日オマエのお見舞い来てたんだぜ。」
『え?毎日?』
「ああ。なんだかんだ言ってオマエらの事1番心配したのはアイツだからな。」
2人から聞かされた意外なことにリツカは一瞬目を丸くする。