第16章 小さき眠り姫
『うん。心配かけてごめんね。2人とも。』
「次やったら承知しねーからな!」
『うん。もうしないよ。』
「っとにお前は......心配ばっかりかけさせやがってッ!とりあえず.....先生呼ばねぇと!」
と目覚めたリツカを前にドラケンはらしくもなく震える手でナースコールを押す。
『そうだ!圭介!圭介は!?』
「まずはテメーの心配しろ!......場地は....その.....えっと.....」
「その言いづらいんだが.....」
『う、そ.....』
「リッカ?」
『私......救えなかった.....?圭介を守れなかったの?嘘だよ.....嘘.....いやだっ!いや.....いやっ』
「落ち着け!落ち着けリッカ!」
「場地は生きてる!生きてるんだ!!ただまだ目覚めてねぇよ。打ち所が相当悪かったらしくっていつ目覚めるかわかんねえって.....」
『そん、な.....私のせいで.....私がちゃんと出来なかったから......また私のせいでみんながっ.....!』
「それは違ぇ!!いいか。リッカ。これはオマエのせいじゃねぇ。そんなに思い詰めんな。場地の奴もそういうはずだ。」
『でも......』
「そうだな。ドラケンの言う通りだ。場地の奴もすぐ目覚めるさ。だから安心しろ。」
『.....私は.....』
「リッカ。やめろ。自分を責めんのは。俺たちまで苦しくなる。」
「.....わかっ、た」
死んではいない事に内心ホッとした。
でも、昏睡状態には変わりはない。
最後まで守りきれなかった自分にリツカは少し憤りを感じてしまう。
それを察してか、三ツ谷はリツカの頭をポンと撫でた。
「とにかくオマエだけでも目覚めてよかった。」
『心配かけてごめんね。』
どう返したらいいわからなくて苦笑いを浮かべるとそこへ看護師がやってきた。