第16章 小さき眠り姫
スタスタスタ.....
2人分の足音が聞こえて来て、リツカのいる病室の前で止まる。
────コンコンコンッ。
病室に控えめなノックの音が響き渡った。
『(あ...誰か来た。)』
慣れたように病室のドアが開けられ現れたのは
『み゙づや゙?ドラ゙ゲン゙.....? 』
ガラガラで酷い声だ。
それでも2人はそれすらも気にせず、驚いた表情を浮かべる。
「え、」
「リッカ!オマエッ!」
『あはは.....おはよ?2人とも。とりあえず.....手貸してくれない?起き上がれなくってさ.....』
なんて言ったら言いわからず笑って誤魔化すと、2人は何かを我慢したようにグッと唇をかみ締め、リツカを軽々と抱き上げベッドに座らされ、水を与えられた。
『っ!ケホケホッ!!〜〜〜〜っ!!いったぁ.....』
「急いで飲むな。ゆっくり飲め。」
『いや〜2人ともありがとう!危うく地面と────』
「ありがとうってオマエっ.....どれだけ寝てたと思ってんだよっ......!」
「バカヤロウ!心配かけさせやがって!!」
『ええ!?何で泣いてんの!?』
「オマエ無茶しすぎなんだよ。今回なんて死にかけて.....守れなかった俺たちの気持ちわかるか?あ?」
「惨めに見ていることしか出来なかった俺たちの気持ちが」
『......』
2人はクソっと悪態をつきながらボロボロと涙をこぼす。
それを見たリツカは少しだけ困ったような表情を浮かべると2人の頭に優しく手を当てて自分の肩に頭を預けさせた。
そうだ忘れていた。
彼らはこんな見た目をしているが中身はただの15歳の少年たち......
誰かの死を受け入れれるほど強くはない。
誰かが自分たちのために犠牲になるところを見たことがあるわけでわもない。
そうだ。
彼らはただの15歳というまだ若く何も知らない少年たちなのだ。