第16章 小さき眠り姫
卍 卍 卍
『っ.....』
真っ白なベットに寝かされた少女の手がピクリと動く。
『.....ん.....ここは.....?』
いつから眠りに着いていたのだろう。
目を開けると現実と夢の中の間をさ迷っているように世界とのピントが合わない。
ピッピッピッピッ......
枕元から機械音が聞こえて来て、視線を向ければ見慣れない器具たちと自分の体が管で繋がれていた。
『っ....』
ぼやけていた視界もだんだんとクリアになっていく、しかし頭だけがいまだに覚醒せずボーッと天井を見つめた。
むせかえるほどの消毒の匂いと薬品の匂い。
ここはたぶん病室なのだろう。
状況を理解するために体を動かそうとしてみたが、鉛のように重く、動かす度に骨が軋み、固まった筋肉と傷口が悲鳴をあげる。
『い”っ!?.....(体が酷く重い。どのぐらい寝てたんだろう。)』
何度か身動ぎを繰り返すと痛む身体に鞭を打ち、起き上がる。
起き上がった彼女が目にしたのは目の前一面に広がるお見舞いの花と真っ白な壁の病室だった。
『(そうだ!圭介は!?)』
急いで真っ白な布団を跳ね除け、ベッドから飛び出す。
しかし、地面に足を着いた瞬間
ガクッ!!と力が抜け、勢いよく地面にひれ伏した。
しかも点滴を巻き込んで...
─────ガシャンッ!!
『い゙った!!』
思いっきり傷ついた体が床にぶつかり、リツカは半泣きになりながら、グググッ...と起き上がろうとするが、体が持ち上がらない。
おかしい。
たった数日でここまで筋肉が落ちるものなのか?
相変わらず、力は入らず、気を失う前の記憶は曖昧だ。
『(やばい...起き上がれないっ。)』
何度力を込めても一向に力が入らない体に多少の焦りを感じ始める。
このまま誰かが来るまで地面に寝てなきゃなのか?と嫌な予感が脳裏に浮かんでいると