第16章 小さき眠り姫
「なぁリツカ。もう俺を死を背負うことは無い。だからもう自由になっていいんだ。」
『.....でも』
「その代わりマンジローを1人にしないでやってくれ。俺の代わりにそばにいて、まだ15歳のガキが背負った重い十字架を一緒に背負ってやってくれ。」
『......』
「アイツはいつも無理してばかりだから、東卍の総長でも、無敵のマイキーでもない、ただの佐野万次郎でいられるように支えてやってくれるか?」
『うん!』
リツカは頷くと真一郎の手を離し、光の先へと歩いていく。
そして名残惜しそうに後ろを振り向くと、真一郎は笑顔でリツカを見送っていた。
『シン兄!!私頑張るから。シン兄の分もちゃんと生きて生き抜いて、絶対みんなが幸せな未来にたどり着けるまで頑張るから。だから、だから.....っ!見守っててね!』
「ああ。俺はいつまでもオマエたちを見守ってるよ。リツカ」
最後にそう聞こえた気がして、体が光に包まれた。
リツカの意識は深い海から、浮上したのだった。