第16章 小さき眠り姫
あれから医師の言うようにリツカも場地も1度も目覚めることは無かった。
マイキー、ドラケン、三ツ谷、タケミチ、千冬の5人は1日も欠かすことなく、毎日リツカと場地の面会へと来ていた。
リツカたちは容態が安定したと同時に個室に移され今も管を繋がれた状態でもう3日間も眠り続けている。
「親友と場地さん。全然起きないっすね。」
「医者の話だと山は超えても、目覚めるかどうかは別問題らしいからな。それにしても3日間は....さすがにキツイな。」
ドラケンはリツカの部屋に置かれた見舞いの品を見つめながら悔しそうに呟いた。
毎日絶対1回は誰か来るのでお菓子やぬいぐるみ、花で窓際は溢れ返っていた。
「リッカ。寝坊助にも程があんだろ。」
「場地さんそろそろ起きてください。ペケが寂しがってますよ。」
「そろそろ起きねぇとエマが泣くよ?場地、リア」
マイキーはリツカの手を握る。
3日間前と比べると随分とやせ細ったものだ。
動かさないため筋肉が衰え、小さく細かったリツカの手はさらに細くなっていた。
誰もが不安を募らせる。
しかし、リツカも場地も一向に目覚めることは無かった。