第16章 小さき眠り姫
壮絶な過去だった。
笑顔に隠された過去それを知ってしまったタケミチはなんて言ったらいいかわからなかった。
「リアはとにかく自己犠牲が強いんだ.....自分よりも他人を優先する。自分の命が軽いって思ってるんだ。そのせいでいつも死にかけて、傷だらけになって。それが創設メンバー(オレら)は耐えられなかったんだ。これ以上アイツが傷つかないなら俺たちはそれで良かったんだ。なのに......」
「......」
悔しそうなマイキー達はそれ以上語ることはなくただ手術が早く終わることを願う。
手術が始まってどれくらい時間が経っただろうか。
みんなただひたすら今か今かとランプが消えるのを待つ。
マイキーは力なく椅子に座りリツカの血がべっとりと着いた掌を見つめ、
ドラケンはマイキーの隣に立ち、ランプを見つめる。
一虎は己の不甲斐なさを呪い顔を歪め、
千冬はそんな一虎の隣で自身の手を握りしめ成功を祈る。
三ツ谷は地に座り額に拳を当て祈りを捧げ、
タケミチはただランプが消えるのを今か今かと待ち望んだ。
すると日が暮れ、深夜になるという時だった。
パッ!
手術室のランプが消え、ずっと固く閉ざされていた扉がやっと開き、中から2人の医師が顔を出した。
みんなが一斉に立ち上がり医師へと視線を向ける。
実に5時間もの時間が経過していた。
「一命は取り留めました。後1分でも遅れていたら助からなかったでしょう。」
医師の言葉に誰もがホッと胸を撫で下ろした。
しかしそれは医師から告げられた次の言葉によって絶望えと変わってしまった。
【よっしゃ─────】