第16章 小さき眠り姫
結局あの日以降から俺たちにとってリツカが傷つくことがトラウマになってしまった。
いや、正しくは怖くなったんだ。
アイツが.....リツカがいつか壊れてしまうんじゃないか、どこか遠くに行ってしまうんじゃないかそう思ったんだ。
だから俺たちはこれ以上傷つくことがないように守り続けると誓った。
「強い破壊衝動...別の人格を少しでも出さないように気をつけながら俺たちはアイツと喧嘩してた。」
「別の人格ですか?それって解離性同一性障害?」
「ああ。俺らはその別の人格のことをムツカって呼んでる。」
「(あのリッちゃんにそんな人格が?そんな素振り1度も見た事がないぞ?)」
「つってもその衝動はシンイチロー君の死を目撃してからは一切出なくなったけどな。それでもあの時のアイツはまるで別人のようだった。理性なんてモンはねー。ただ気を失うまで暴れ続ける獣のようだった。」
どこか悔しそうにそう告げたドラケンは何を耐えるように拳を握り込む。
「黒龍は俺たちを潰そうとしてた。アイツはそれにいち早く気づいたんだ。デモそれが仇となった。あの頃はアイツはまだ小学生だった。だから1番先にリアを狙ったんだ。東卍と再び抗争するきっかけを作るために。」
「俺たちはな、アイツと約束してたんだ。"いざとなったら守ってやる"ってなのにこのザマだ。救う所か傷つけてばっかり。本当救いようがねぇよな。」
「ドラケン君.....」
「結局俺たちはあの日以来からアイツがこれ以上傷つかないように前線に立たせなかった。ずっと敵が少ない後方で俺たちに守られながら喧嘩をさせてたんだ。」
「俺たちの自己満だってのはわかってる。でもそうでもしないといつかリアが消えるんじゃないかって怖かったんだ。」
「そうだったんすね.....」
「仕方なく前線に立たせてもすぐに助けに入れるように傍に置いたり、アイツを絶ッ対ェ1人にしねぇし、守ることが出来る花瀬兄弟を傍に置かせた。」
「(そうか。だから特攻隊には副隊長が二人もいるのか。)」
告げられた真実にタケミチは絶句し、表情を暗くして俯く。