第16章 小さき眠り姫
「あのマイキー君。少しいいですか?」
力なく座るマイキーにタケミチは問いかける。
「何?」
「三ツ谷君やドラケン君、あと場地君が倒れた"リッちゃん"───ッ!じゃなかった"リッカ君"を────」
「いいよ。タケミっち。無理して呼ばなくても。リアが女だってのはさっきバレたし、それに.....俺はリアが女だって知ってたから.....タケミっちはリアのこと普段はリッちゃんで呼んでんだろ?」
「.....はい。ならお言葉に甘えて。あの三ツ谷君やドラケン君、場地君がリッちゃんを見て"俺たちはまた"ってずっと言っていました。あれってどういう意味なんですか?」
「......」
「マイキー......話してもいいんじゃねぇか?タケミっちは信用出来るやつだ。」
「ああ。」
ドラケンに促されマイキーは頷くとポツリポツリと語り始めた。
「タケミっち。リアの背中と左腕見たことある?」
「左腕?」
そう言われればなかった
リツカ自身夏だろうか冬だろうかいつも長袖とパーカーを着ていて体育の時も欠かさずジャージを身につけていたし、よくよく考えてみればリツカの左腕を見たことがなかったのだ。
「背中ならあります。芭流覇羅のアジトに連れていかれた時に。」
「リアにはさ、背中にデケェ傷と左腕にデケェ火傷の痕があるんだ。一生消えねぇ傷。それが俺たちがリアが傷ついた時パニクってた理由だ。」
「え.....」
「デケェ傷は一虎と場地がシンイチローを襲った時にできた傷だ。そのせいでリアは1週間生死を彷徨った。そして火傷の痕.....あれは俺たちを庇った時の痕だ。」
「マイキー君達を庇った?」
自分から東卍の中で最弱だと豪語する彼女がか?