第16章 小さき眠り姫
そんな千冬を背中を見て、黙っていた他の隊員も立ち上がると医師の前に詰め寄る。
「俺もです。俺もアイツと同じです!俺の血も使ってください!いくらでも取ってくれて構いません!」
「ドラケン君!」
「他にO型の奴いるか!?」
「タカちゃん!俺もO型だよ!俺の血も使って!」
「八戒!」
「俺もO型です!俺の血も使ってください!!あの人には恩があるんです!」
「俺も!俺の血も使ってください!あの人に死んで欲しくないんです!」
「俺も同じです!お願いします!あの人を助けてください!」
次々とリツカと同じO型の面々が手を挙げ医師の元へと歩み寄っていく。
裏切り者のはずなのに彼らの瞳には仲間を助けようとする強い光が宿っていた。
医師は覚悟を決めた面々を交互に見ると少しだけ息を吐き、真剣な眼差しで数人を見すえた。
「わかりました。ですが相当な量を取ります。取られた後は安静にしていてください。その後であなたたちの手当もしましょう。」
それからドラケンと千冬を含め、東卍メンバーから血液型が採取されリツカと場地の手術が始まった。
「俺、東堂さんに連絡してくる。」
三ツ谷はそう言うと携帯を持って外へと向かった。