第15章 血のハロウィン
「オマエが持ってろよ場地」
「ああ。結成のきっかけはオマエとリッカだしな。」
「それがいい。」
「預けたぞ!」
「うん」
『賛成!でもちょっと待って圭介!』
「?」
リツカはそう言うとポケットから紐を取り出しお守りにつけ、場地の前に立つと少し背伸びをして場地の首にお守りの紐をかけてあげる。
『これだったら失さないでしょ?オレたちの想い、預けたよ圭介!』
「おう!ありがとうな。リアァ。大事に預かっとくぜ!」
みんなの期待の詰まったお守り。
場地はそれを受け取ると胸に強く押し当てた 。
その顔は酷く穏やかだった。
「これがそのお守りだ。東卍を作ったのは俺じゃない.....場地とリアだ。
【誰かが傷ついたらみんなで守る。一人一人がみんなを守るチームにしたい】
そうやってできたチームだった。」
リツカは自分を抱き上げるマイキーの頬を撫でる。
『け、いすけの.....口癖だった。パーちん、三ツ谷、ドラケン、マイキー、私、一虎.....アイツらは俺の宝だ.....って.....私も、同じ。東卍は.....みんなは私の居場所で.....宝なの。もう誰にも、傷ついて、欲しくない。死んで欲しくないの。』
「ッ!」
『圭介、も.....私も....こんなの望んで....ない。だからもう、やめ、よ?』
「ッ....!ゴメンな。リア、場地」
涙を流したマイキーが謝るとリツカは脂汗か冷や汗かよく分からない汗をかきながらも優しい眼差しを向け、力が入らない手で涙を拭ってあげる。
『.....一緒に帰、ろ?みんな.....で....ゴホッ!私、東卍が.....みんなが.....大好き、だから.....誰一人欠けて欲しく.....ない、な。みんな一緒がいい.....』
「リア。帰る!帰るからしっかりしろ!死ぬな!」
『.....よか、った....』
「『タケミチ......』」
「何?リッちゃん。場地君」
「マイキー.....を」
『みん、なを......』
「頼む.....」
『お願い.....ね。』
ニッコリと微笑んだリツカと場地から力が抜ける。