第15章 血のハロウィン
【そんな悲しいこと言うなよ。この先どんな地獄が待ってても俺は最後まで一緒だから!】
【一虎!オレは一虎の味方だよ。だからどんな事があってもオレは一虎を絶対裏切らない!約束する!だからまた東卍に戻ってきてよ。ずっと待ってるから。】
あの日初めて人を殺した俺を優しく抱きしめてくれた場地の姿。
冷たいガラス越しの前であんな酷いことをしたのに見捨てず俺に笑いかけてくれたリツカの姿。
あぁどうして忘れていたんだろう。
いつもそうだ。
場地。なんだかんだ言っていつも一緒だった。
リツカ。いつも側にいて、俺たちが間違った道に進もうとしたら止めてくれた。
『たとえ一虎が芭流覇羅でも.....私たちは.....ずっと.....仲間だったんだよ。』
「俺は.....1番大事なものを壊しちまったんだな。」
弱々しくリツカの背中に腕を回すと一虎は服をキツく握りしめポロポロと涙を流す。
『やり直そうよ.....みんなで.....こんな抗争に勝っても負けても誰も救われないよ.....こんな抗争もうやめよう?』
あの頃に戻りたい。何度そう思っただろうか。
もう遅いとわかってても、それでも願わずには居られなかった。
「やり直す?そんなのもう出来ないんだよ。俺は取り返しつかないことをした。」
暗い顔をして答える一虎にリツカは首を振ると優しい声で告げる。
『出来るよ。私たちはまだ生きてる。未来はまだ変えられる!』
「一虎の言う通りだ。もう無理なんだよ。出来ねぇんだよ。リア」
『出来る!その為に.....私.....はっゴホッ...ゲホ!ヒューヒューッ。(クソッ....もうここまでか.....)』
赤い花びらが飛び散り、地面を赤く染めあげるとついに力尽きたリツカはズルと一虎の腕の中から倒れ込む。