第15章 血のハロウィン
「!?リア.....」
『ハァハァ....マイ、キー。やめようよ.....もうたくさんだよ!こんな抗争!!ゼェ....ゼェ...ゴホッ...ゲホ!ヒューヒューッ。』
「.....」
『一虎を、殺しても....ハァハァ.....シン兄、は帰って来るわけじゃない。』
「ッ!」
「帰って、来ないのに.....それでマイキーの心は晴れるの!?違うでしょ?.....ハァハァ....復讐なんてっ.....さらなる憎しみを産むだけだ、よ。今マイキーが一虎を殺してしまえば......この先一生後悔することになる.....貴方は優しい人、だから.....きっとそれを一生悔いてしまう!私はマイキーにそんな思いして欲しくないっ.....!だからもうこんな抗争やめようよ!』
悲痛の叫びがリツカの心の中から溢れ出す。
自分勝手だってわかってる。
それでももう大切な人に死んで欲しくなかった。
シン兄が死んで、一虎に場地が殺されて、一虎がマイキーに殺されて、マイキーが堕ちて、杏花が殺される。
そんな悲しみの怨嗟をここで断ち切りたかった。
『一虎ももうやめよう.....ゴホッゴホッ....貴方が犯した罪は、マイキーを殺しても私と圭介を、傷つけても、何も変わらない.....大切なものだけが失われていくだけだよ。』
ふらつく足取りでマイキーの元から一虎の元に歩み寄り、フワリと優しく一虎を抱きしめる。
「ッ!!リッカ.....」
『一虎.....言ったでしょ?私たちは.....貴方を見捨てないって.....』
「その通りだぜ.....一虎.....」
「!場地.....」
「一虎....約束しただろ?この先、どんな地獄が.....待ってて.....も俺らは、ずっと一緒だって。俺らが.....オ、マエを裏切ることはない.....」
「!!」
痛みに顔を歪めながらも告げられた言葉に一虎の脳裏にあの日の記憶が思い出される。