第15章 血のハロウィン
「オマエが言う通りだな。アイツはどこかシンイチロー君に似てる。アイツならマイキーを任せられる。オマエの目に狂いはねぇ。」
髪の毛を結びながら場地はリツカにそう言った。
『でしょ。』
「さぁて。参番隊50人対2人(俺ら)」
『1人25人.....圧倒的不利な状況....』
『「上等上等!!」』
リツカは2つ目の鉄パイプを拾い上げると、場地に1本投げ渡した。
「行くぞ!オラァァ!!」
2人はダンっ!!と踏み込むと、参番隊50人に対して突っ込んでいく。
「リアァ!オマエと共闘するのは久しぶりだなぁ!」
『壱番隊以来じゃない?しっかり着いてきてよね。圭介!』
「オマエこそな!遅れんじゃねーぞ!」
『それはこっちのセリフ!!』
2人は顔を見合わせて笑い合うと場地はリツカの背後にいる敵を、リツカは場地の背後にいる敵を倒していく。
「すげぇ.....」
「うお!!一気に4人も!」
「舐めないでくださいよ。場地君とリツさんは俺たちが足元にも及ばないほど強いんですから。」
「いつ見てもアイツらの共闘は規格外すぎんだろ。」
アイコンタクトだけで、お互いが次どんな動きをするのか予測し把握している息ぴったりな2人の動きに誰もが圧倒される。
「余所見してンじゃねえゾ!」
場地はそう言うと稀咲の隣に立っていた副隊長を殴り飛ばす。
そして────.....
『チェックメイトだ。稀咲』
リツカが稀咲の喉元に切っ先を向けた。
「(すげぇ。リッちゃん)」
「っ!蒼葉六花......やっぱり.....オマエは俺の求める天使だ((ボソッ…」
稀咲はそう呟くとリツカを見上げた。
彼の目には太陽を背に煌々とした白銀の羽をはためかせた1人の天使が立っていた。