第15章 血のハロウィン
「は?」
『ッッ!!!!』
グッ!と無理やり差し込まれた刃はグリィとトドメをさすように捻られ、その瞬間、肋骨をすり抜けた刃が骨に当たる痛みと、肉が抉られる痛みでリツカは思わず叫びたなるのを我慢するように、掴んでいた場地の服を思いっきり握りしめ、唇を噛み締めた。
『(痛いっ!痛い痛い痛い!!!でも.....良かった。間に合った。今度はちゃんと間に合った......)』
「一虎君?.....ッ!うわああぁぁ!!」
心のどこかで何故か安心したリツカを他所に、勢いよくタケミチは一虎にタックルする。
しかし、その反動で刃が動きまた肉が避け、リツカは悶絶し、その場で膝を着く。
そして2人は折り重なるようにガラクタの山から転げ落ちると刺されたはずのリツカに視線を向けた。
「リッカ君!....ッ!?そんな.....」
『ッ.....大丈夫ッ!!大丈夫だから.......カスリ傷だよ。急所は外した。タケミチが動いてくれたから助かった。』
そう言ってリツカは体制を整えると背中に深々と刺さったナイフを掴み無造作に引き抜き、投げ捨てる。
しかしその刃先には赤い液体がべっとりとつき、血が滴り落ちていた。
『もぉ〜痛た...』
「隊長っ!血が......クッ!一虎あぁ!!テメー!隊長に何してくれてんだ!ゴラァ!!ぶっ殺すぞ!」
鮮血が着いた刃物を見た瞬間
怒髪天を着いた海寿は濁った瞳でブツブツと呟く一虎の胸ぐらを掴みあげる。
『海寿!やめろ。』
「ッ.....でも!」
『いいから!心配してくれてありがとう。』
「.....ッ!ッス」
痛みで引き攣った笑顔を浮かべるリツカに海寿はそれ以上何も言えず一虎の胸ぐらを手荒く離す。
『一虎.....』
呆然とする一虎に視線を向けた瞬間
右耳につけている耳飾りがカラン。と音が鳴る。
「リッカ.....なんで....なんで!邪魔した! !オマエまで俺を裏切るのか!!!?」
ブツブツと呟いていた一虎はリツカの姿を目に映すと発狂したように怒鳴る。