第15章 血のハロウィン
「「うおおぉぉぉぉぉ!!」」
突然叫びながらタケミチと海寿が走ってきて、タケミチは場地に海寿はリツカに飛び着いたのだ。
「場地君とリッカ君を守るんだ!千冬!海國!」
「兄貴!隊長と場地君を止めんぞ!!」
『離せっ!海寿!』
「嫌っす!!」
「千冬!海國!」
「ダメだ。タケミっち。海寿」
「え?」
「俺は.....俺らは場地さん達を殴れねぇ。」
千冬のエメラルドの瞳から涙がこぼれ落ちる。
それは海國も同じで悔しそうに涙をこぼしていた。
「何言ってんだよ!千冬!」
「兄貴!!隊長止めんだろ!?」
「無理だ......無理なんだよ。海寿.....」
「リアァ!先に行け!」
場地はタケミチの首に肘を入れながら叫ぶ。
リツカはコク。と頷くと、しがみついてきた海寿の腹に膝蹴りを入れる。
「ガハッ!!ッうぅ.....」
痛みで力の抜けた海寿を乱暴に引き剥がし、無造作に地面へと横たえる。
『邪魔なんだよ。そこで大人しくしとけ。』
そしてリツカが数歩先に行った時だった。
『(あれ.....圭介を殺すのって稀咲じゃなくて.....一虎じゃ....)』
咄嗟に一虎が気絶しているはずの場所に目を向けるとそこには一虎の姿がなかった。
『まさか!』
後ろを振り返り場地の方を見るとナイフを手にした一虎をが場地の背後に迫っていた。
『(そうだ!そうだった!私としたことがとんだ勘違いをしていた。稀咲に気を取られすぎていた!圭介を殺すのは稀咲じゃない。一虎だ!)』
「死ねっ....場地」
『ダメ!!一虎!(お願い!間に合って!お願いします!神様。もう私は失いたくないの!)』
咄嗟にその場から駆け出したリツカは場地と一虎の間にギリギリで身を滑り込ませ、タケミチを突き飛ばし、場地を守るようにして腰に抱きついた。
その刹那
─────グサッ
強い灼熱感共に背中に強烈な痛みが走った。