第15章 血のハロウィン
「グッ!」
『!?』
背後から忍び寄ってきた参番隊の副隊長に場地は蹴り飛ばされ、リツカは首根っこを掴まれて投げ飛ばされて、玉のように転がり落ちていく。
二人が転がっている間に立ち上がった稀咲は冷たい視線をリツカ達に向けた。
「大丈夫ですか?稀咲さん。」
「ブンブンブンブン。俺の周りを嗅ぎ回ってるハエだ。叩き殺せ。」
「上等だよ。稀咲ぃ」
『絶対泣かす!』
すぐに起き上がった2人にタケミチはホッと胸を撫で下ろしていると臨戦状態になった2人の前に千冬と海國が立ち塞がった。
「千冬ぅ」
『海國ぃ』
「『何の真似?/何の真似だ?』」
「場地さん、親友。ダメっすよ。今ここで稀咲をやったらマイキー君を裏切ることになります。」
「2人とももう戻れなくなりますよ!?東卍の為を思うなら今は我慢してください!機会ならいずれ来ます。」
『「......」』
「東卍の為に稀咲をやるなら今じゃ────」
ゴッ!!
止めに入った千冬を場地が殴り付け、海國が急いで千冬に駆け寄る。
「いい気になんなよ。千冬。テメーを俺の横に置いたのは喧嘩の腕を買っただけ。テメーの考えなんてどーでもいいんだよ。」
『海國。圭介の言う通りだ。オレがオマエらをそばに置いたのは喧嘩とその頭脳を買っただけ。それ以上でもそれ以下でもない。オマエらが何を思おうと勝手だが、それを押し付けんな。』
「それでも俺らはアンタたちの副隊長だ!アンタたちを守るためにここにいる!」
「どうしてもこの先に行くなら俺も海國も容赦しねーぞ!!」
よろめきながら立ち上がった千冬に場地は冷たい視線を向ける。
それはリツカも同じで冷酷な目で海國を見ていた。
『やってみなよ。』
「10秒やる」
「「え?」」
「10・9・8・7・6.....」
ゆっくりとカウントダウンが2人に迫る。
「どうした?容赦しねーんじゃねーのか?」
『殺さないと止まらないよ。オレらは』
「5・4・3・2・1─────」
────────「ゼロ.....」
カウントダウンが過ぎ去った。
場地とリツカがそのまま上へと登っていこうとした時だった。