第15章 血のハロウィン
「ドラケン。今まで不思議に思ったことはねーか?天使チャンは人を惹きつけすぎるって。」
「!?」
言われてみればそうだった。
リツカは昔から人を惹きつけやすかった。
それはまるで一輪の花が無数の蝶を誘うように。
ドラケンが知ってる限りでも、東卍メンバー、歌舞伎町の死神こと半間、六本木の灰谷兄弟、黒龍の創設メンバー、更には前回抗争した長内ときた。
おそらくは他にもいるだろう。
オトモダチも引き寄せられた人々だ。
齢14歳のただの子供がここまで人を惹きつけ、そして依存されやすいのは、傍から見たら異常なようにも思えた。
「天使チャンは異常なんだよ。人を惹きつけて何色にでも染まれる。真白なんだよ。だから俺たちはアイツを黒く染め上げることにした。」
「何意味わかんねー事言ってやがる!」
「俺は天使チャンに救われた奴の一人だ。だからアイツを壊して、堕として、俺だけの天使チャンにする!マイキーには渡さねぇ!奪わせてもらうゾ?東卍!」
「アイツは渡さねぇ!リッカは東卍の一員で俺の恩人だ!手ぇ出したら殺す!!」
ドラケンはそう言うと、半間に向かって拳を振り上げる。
タイマンが始まるが、今の東卍の状況は圧倒的劣勢、士気が下がり、隊員達はその圧倒的な数に怯えていた。
「ヒィィィ.....」
「もう無理だっ!」
「助けてくれぇ!」
『段々東卍が劣勢になってる。やばいな....幹部が踏ん張っても下が押され始めてる。(でも数は減り始めて、視界が良くなった。早く稀咲を探さないと。)』
東卍150人に対し芭流覇羅300人
芭流覇羅の方が歳も上で、パワーもあるおまけに数も2倍ときた。
幹部が踏ん張っても下は押され始めている状況にリツカは東卍が負けてしまうのではないかと不安を覚える。
『(敵の私じゃいつもみたいにみんなを奮い立たせることは出来ない....でもこのままじゃ)』
最悪な未来が脳裏をよぎった時だった。